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いまや製造業製品の多くは、コンテンツ(中身)で競争している。たとえば、携帯電話は機能的利便性で、コピー機は保守契約と消耗品で利益を上げている。すなわち、製造業は「サービスを製品に載せて販売している」と考えることができる。また、日本の就業人口の7割が第3次産業に属することからもわかるように、介護サービス、ソリューション提供サービス、事務代行サービスなどの重要性は年々増加し、かつ、それらのサービスプロバイダにおけるサービス生産の高効率化が求められている。 今後の日本経済は、物質的には環境へ負荷をかけずに(持続性社会の構築)、サービスの質を向上させて我々の生活水準を高めること(Quality of Lifeの向上)を目標とすべきである。しかし、その中心であるサービスの設計方法については、マーケットリサーチの一分野として消費者の声を聞く程度の活動がなされているに過ぎず、まだ、手探りの状況にある。そこで、この科目では、駒場の諸君と「価値あるサービスを如何に作り出すか」を共に学び、駒場祭で開催するコンテストでサービス設計の成果を実証することを目的とする。 サービスは「製品とその利用」からなると考える。すなわち、製品とは「サービスの提供手段すなわちチャネル」であり、そのチャネルを用いて、顧客はコンテンツを消費して、満足を得る。そこで、本科目での学習内容は (1) サービス設計の概念 (2) 設計の基本的概念と計算機支援 (3) 設計システムにおける表現と意思決定手法 (4) サービス設計用CADシステム(Service Explorer)の利用方法 (5) Service Explorerを用いたサービス設計演習 (6) サービス設計コンテストの実施 からなる。 本科目はマーケットリサーチ,設計学,最適化工学などの分野の知見を元に,情報ツールを用いて総合的に顧客満足度を評価することを扱うので,経済学と工学との両者に興味を持つ学生に適する. 連絡先: 新井民夫まで(E-mail AddressはTop Pageにある)
• 本総合科目は講義と集中演習とを組み合わせる。 • 金曜日5限を駒場での講義標準時間とするが、4回分しか行わない。残りは、本郷工学部14号館での土曜日午後の集中演習3回で行う。
【日程】
●駒場祭における設計コンテストは次の内容を計画している(計画段階). • サービスの利用者を「大学構成員」と仮定し、「持続性社会の構築を前提とする快適性・安全性・安心性の改善」をコンテンツ評価の基準とする。具体的なコンテストのレギュレーションは別途定める.
このような設計作業は,実は「人のために役立つ」という日常的な行為と同じである.しかし,我々は特段,設計作業を意識して行わなくても,相手の状況を推察して,行動する.しかし,これが製品や組織内での仕組みになると,サービスの送り手と受け手の両者がもつ様々な拘束条件や要求仕様を計算にいれ,もっとも良い解を探さねばならない. そのためにこの科目では, (1) 講義による知識の獲得, (2) Web調査, (3) 自分の手で設計対象を表現し,評価する演習, (3) コンテストという場を用いた説得手法の学習, (4) 学習方法の文書化 を実践することで,設計方法を習得できるようにしている.このような学習方法はPBL(Project Based Learning 問題解決型学習)のひとつである.それ故,本科目を履修する人は,自ら積極的に問題を考え,他の履修者とコミニュケーションをとることが求められる. 本科目は,抽象的な問題を具体的に表現したい人,他人を説得したい人,良い製品の提案をしたい人などに向いている.
出席点40%,設計成果40%,講義構成への貢献20%で評価する. 13コマ数中7割すなわち9コマ以上の出席を求める.
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