i-Constructionシステム学

現場の安全

 建設業における死亡災害は日本の全産業の34.0%を占めるなど,工事現場における作業員の安全は常に重要な課題となっています.安全と効率を両立させた現場マネジメントのため,工事現場における危険な事象の発生を検知し,データを収集することが重要です.
 我々は,作業員を現場に散らばるセンサとして捉えるというアプローチをとることとしました.現在取り組んでいるのは,現場作業員の計測を通じて作業員が知覚した危険な事象を検知し,データを収集するシステムの構築です.将来的には,現場の状況と危険の発生との関係性をつかむことによる適応的な危険予測の実現を目指し,日々の研究を行っています.

地下埋設物損傷回避に関する研究

 日本の地下には水道管やガス管といった様々な埋設物が存在しますが,その位置は正確に管理されているわけではなく,建設機械による掘削作業中に地下埋設物を損傷してしまう事故がしばしば起きています.そこで,地下埋設物を検出しそのデータを共有しつつ,損傷を回避する技術が必要です.
 我々は,1. 地中レーダーの観測結果からAIを用いて地下埋設物を検出し,2. 検出結果をインフラデータプラットフォームに保存し共有しながら,3. 地下埋設物との接触を回避しつつ掘削を行うような建設機械の動作を自動生成する,という一連のシステムを構築することを目指し,研究を進めています.