身体性システムの研究内容
運動主体感に関する研究
人間が身体を動かすとき「体を動かしているのは自分である」という感覚を得る.これは身体に対する運動主体感と呼ばれる.さらに,ロボットなどの機械を操作する際に,その機械を制御しているのも自分であるという主観的な感覚が生じる.これも運動主体感と呼ばれる.本研究は,主に外部の物体に対する運動主体感に注目し,どんな要因がその感覚の生起に重要であるが,どんなインタフェースなら運動主体感を強く感じさせることができるのかを,心理学実験を用いて調べる.過去の研究成果について,幾つかの例を以下に挙げる.
操作者に気付かれないように補助を与えると,実際に自分の操作が完全に効いていなくても運動主体感を強く感じる
参考論文:
Wen, W., Yamashita, A., & Asama, H. (2015). The sense of agency during continuous action: Performance is more important than action-feedback association. PLoS ONE, 10(4): e0125226. doi: 10.1371/journal.pone.0125226.
運動主体感が生起する際の脳波計測
参考論文:
Wen, W., Yamashita, A., & Asama, H. (2017). Measurement of the perception of control during continuous movement using electroencephalography. Frontiers in Human Neuroscience, 11:392. doi: 10.3389/fnhum.2017.00392.
VRを用いて運動主体感が身体イメージの変容に与える影響の検討
参考論文:
Wen, W., Muramatsu, K., Hamasaki, S., An, Q., Yamakawa, H., Tamura, Y., Yamashita, A., & Asama, H. (2016). Goal-directed movement enhances body representation updating. Frontiers in Human Neuroscience, 10:329. doi: 10.3389/fnhum.2016.00329.