謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申しあげます。
さて、前東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻助教授 湯浅秀男先生は、平成14年9月18日ご病気のため41歳という若さで急逝されました。日ごろ大変エネルギッシュに活躍されていた湯浅先生がご自宅での突然の病死となり、未だに信じられない心地であります。
ご遺体は、9月22日に東京堀の内斎場にて荼毘にふされ、郷里の名古屋に帰りました。葬儀告別式は9月24日に執り行われ、大勢のご参加を頂きました。
湯浅先生が自律分散システム研究の分野で大変顕著な業績を残しておられることは広く知られております。先生はグラフ上の反応拡散方程式という概念の元に、従来体系付けられていなかった自律分散システムの設計論を確立しました。また、それらの基本概念を画像処理、多脚歩行ロボットの制御、マルチエージェントロボットの制御等多岐に渡る応用分野にも展開し、基礎応用両面において卓越した成果を残された先生でした。また先生は理化学研究所 バイオ・ミメティックコントロール研究センター制御系理論研究チーム フロンティア研究員を併任されて、制御理論にも大変精通されておりました。
先生は、昭和55年に愛知県立中村高校を卒業しました。引き続き同年名古屋大学電気学科に入学、昭和59年に卒業し、昭和61年同大学大学院工学系研究科博士課程(前期課程)情報工学専攻を修了した後、同年名古屋大学工学部助手(情報工学科)に着任され、平成4年名古屋大学大学院工学系研究科講師(電子機械工学専攻)となられました。平成11年には東京大学助教授として赴任され、以来、大学院精密機械工学専攻ならびに工学部システム創成学科知能社会システムコースの中核としてご活躍いただいており、教官や学生からの信望も厚く、これからを期待しておりました矢先の出来事でした。
ご遺族には、律子夫人、四歳になる長女範子さん、それに本年9月11日に誕生した次女の令子さんがおられます。奥様には産後間もないことでもあり、過日の葬儀にも参列が叶いませんでした。湯浅先生のご逝去は、奥様がお産のためにご実家に帰っていた最中の出来事であり、ご本人は生まれたお子さんに面会できないままにお亡くなりになってしまいました。奥様ならびにご遺族のご心中察して余りあり、葬儀会場の涙を誘っていました。特に二人のお子様が社会人として巣立たれるまでの長期にわたるご家族の負担は並々ならぬものがあると推察されます。
このような事情を考えまして、誠に僭越ながら私ども関係者が相諮り、ご家族を励まし、今後のお子様方のご成長の一助としていささかなりともお役に立つことを念願し、このたび遺児育英基金を募ることに致しました。皆様方のご協力を仰ぎたく、ここにお願い申し上げる次第です。
何卒、右の事情をご賢察の上、ご賛同いただき、ご援助を賜りますよう、お願い申し上げます。
平成14年11月
発起人代表
東京大学大学院工学系研究科長 大垣 眞一郎
理化学研究所 バイオミメティックス部門長 細江 繁幸
名古屋大学大学院工学研究科 電子機械工学専攻 教授 石田 幸男
東京大学院工学系研究科
評議員 笠木 伸英
東京大学院工学系研究科
評議員 平尾 公彦
東京大学大学院工学系研究科 精密機械工学専攻長 毛利尚武
東京大学工学部システム創成学科長 木村 文彦
東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻 教授 新井 民夫
東京大学大学院工学系研究科事務部長 飯塚 正人
募金
金額 一口 金二千円也
期限 平成15年 1月31日
送金方法 左記、郵便振替あるいは銀行口座にお振込みの上、
申し込み用紙
を添えて、郵便あるいはファックスでご連絡ください。
申込先
東京大学 大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻内
故湯浅秀男先生遺児育英基金募金 事務局
〒113‐8656 東京都文京区本郷7‐3‐1
TEL 03‐5841‐6457
FAX 03‐5841‐8548
郵便振替
00150‐0‐573848
湯浅遺児募金(ユアサイジボキン)
銀行口座
UFJ銀行
本郷支店
普通
5283002
湯浅遺児募金(ユアサイジボキン)
なお、領収書は後日収支計算書の送付をもって代えさせていただきます。ご了承ください。