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「継続は力なり」− 社会的貢献

  • 賞と評価と社会
    賞の審査は社会的な貢献の中でもっとも重要な仕事だと思います。ファナック財団の表彰式の挨拶で次のように述べました:

    「現在使われている技術というのは1980年から90年、大体15年から20年位前に研究された成果でございます。その成果を、我々大学にいる者や産業界にいる者が上手に評価して記憶に残し、記録して技術を評価するとそれがまた、次の技術として伸びていく」

    つまり、フィードバック機構が適切に機能していることで、科学技術は安定的な進歩を得ることが可能となるのだと思っています。
    • ものづくり日本大賞: 2007年の第2回ものづくり日本大賞の審査員(正式には「選考有識者委員会」委員というらしい)を務めました。 日本大賞は総理大臣賞ほか経済産業大臣賞などがあります.経済産業省はこの選考に積極的で 10名の選考有識者が喧々諤々の討議をし,現地視察も分担して行いました. 選考の基準として,技術的な優位性はもちろんですが,加えて,日本大賞としてものづくりに対する情報発信,あるいは, 伝統工芸が現代社会において持ち続けるべき意味などといった高所にたった評価がされます.討議は大変興味深いものでした. 2007年度の表彰は内閣総理大臣賞(経済産業省関係)が5件でした.
    • 井上科学振興財団: 2005年4月までの4年間、専門委員を務めました。この財団の奨励賞は「博士論文を提出から2年以内に応募する」もので、大変ユニークな賞です。
    • FANUC FAロボット財団:Fanucが設立した財団で、FA技術やロボット技術の論文に対して、学会推薦(精密工学会、日本機械学会、日本ロボット学会、電気学会、計測自動制御学会)を受けて、贈賞している。
            FANUC財団での挨拶
    • 日経新聞ものづくり大賞: 日本経済新聞社が主催する「ものづくり」を表彰する賞。もとは「日経先端事業所賞」であったが、2004年度からものづくり大賞となりました。私も審査委員の末席を汚しています。
    • IEEE RAS Young Researcher Award: 2003年の夏にIEEE Robotics and Automation Society Japan Chapter は若手研究者への支援として, ICRAに初めて参加する人に限定した賞を新設しました.その後,ICRAのみならずIROSもその対象としています.
      (応募者の資格) 応募の対象者は、次の要件を満たす者とします。
      (1)応募時点においてIEEEの学生会員または会員である、または会員申請中であること。
      (2)表彰を行う年度のICRAに初めて参加するものであること。
      (3)日本国内の大学院に在学する学生であること。ただし、応募時点において海外留学中であっても良い。
      (4)選考の対象となるICRAで、口頭発表を行うこと。
      (賞の内容) 一人3万円のICRA参加費支援を行います。
      賞はその結果のモノや金よりも選出の過程のほうが手間隙が掛かります.実際,このささやかな賞の場合でも,評価委員会は予想以上に手間が掛かったことを記憶しています.この賞ははいわば新人賞なので多くの人に応募して欲しいと願っています.
  • 財団・社団・NPO: 私が関係している財団やNPOで上記の贈賞関係以外のものです。
    • りそな中小企業振興財団: りそな銀行が中小企業振興のために設立した財団。評議員を務めています。銀行が中小企業を支援するという形が少ないし、かつまた、その活動は新技術・新製品の表彰や技術移転情報の移転手伝いなど多岐に渡っています。
    • ニューテクノロジー振興財団: ナムコの中村会長によって設立された財団.マイクロマウスを支援し,IROSを支援してくれました.日本のロボット研究への支援を感謝します.
    • NPO PEN:精密工学会と並立するNPOです。社団としての学会では遣りにくい仕事を積極的に実施するために設置されました。
    • NPO ロボットフェスタ協会:日本全体のロボットコンテストとして行われたRoboFestaを継続的に活動させようと設置されたNPOです。
    • NPO 自動化推進協会:自動化推進協会もNPOとなりました。この協会は長い歴史がありましたが、ずっと任意団体でやってきました。NPOという制度ができたことはこの種の活動を進める上で助かります。
  • Servas Open Doors:サーバス・オープン・ドアーズとそのまま読んでください.この団体は学術研究団体ではありません.世界平和を目的として,普通の人が相互に日々の生活を体験することで,相互理解を深めようという団体です.学生時代,そしてその後英国留学時代にお世話になりました.ここ20年は自分たちが忙しすぎて活動をしていません.

Edinburgh Castle from Grassmarket


リストマーク 国立大学(そして国立大学法人も)も税金で運営されている(実際は約50%)のだから,様々な組織を通じて社会的活動へ貢献すべきだと考える.しかし,何をすることが大学人の根本なのかは常に悩むところである.

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