of Robotics >> Cell Production System

作業者の精神的疲労の測定評価システム

新井教授,電気通信大学 加藤龍助教


 人間・ロボット協調型セル生産組立システムにおいて,人間は人間でなければ出来ない高付加価値作業に専念し,それ以外の付帯的な作業はロボット等が行うことが望ましい.たとえば,柔らかい素材や小さな部品を扱う組立作業は,人間でなければ出来ない作業である.一般的に組立作業は,作業者にとって精神的負担が大きいと考えられている.また,セル生産組立システムの組立作業では,多様な組立手順があるために作業者のストレスはより一層高くなる.そのため,作業者の精神的疲労を測定し,作業者の快適性・安全性を確保することが必要となる.
 そこで,本研究では,人間・ロボット協調型セル生産組立システムで想定される作業下において,作業者のさまざまな生体反応を計測し,作業者の精神的疲労を評価する.現段階では,心拍変動のパワースペクトルから得られる呼吸性洞性不整脈(RSA : Respiratory Sinus Arrhythmia)を解析し,Fig. 1より作業休憩時にRSAが多くみられることが確認できた.RSAは副交感神経の指標とされており,この実験によって休憩時に作業者の精神的疲労が回復していることがわかった.また,同実験においてフリッカー値(CFF : Critical Flicker Fusion Frequency)を休憩時に測定し,Fig. 2よりCFFの低下がみられた.CFFは大脳皮質レベルの活動水準の指標とされており,この実験によって,作業後に精神的疲労をしていることがわかった.これまで,RSAとCFFを用いて実験を行ってきたが,問題点として,健康状態と疲労状態との線引きができない,疲労状態(単調感.注意力低下,心的飽和など)がわからないことなどが挙げられる.したがって,より多くの生体反応実験を行い,作業者の精神的疲労を評価する必要がある.

Fig 1: Experiment results of RSA
Fig 2: Experiment results of CFF

Keywords: Mental Fatigue, Cell Production System, Assembly Task, RSA , CFF